MindStock
Quizlet・dA Flashcard・WordHolic・AnkiDroid を使い比べて、いいと思ったところだけを1つに集めた暗記アプリです。英単語だけでなく、資格試験の用語集でも使えるように作りました。
どういうアプリか
市販の暗記アプリは、どれも「ここは良いが、ここが足りない」という状態でした。忘却曲線は優秀でもテストの種類が少ない、テストは楽しいがデッキを1つしか作れない、といった具合です。そこで、4つのアプリを実際に使ったうえで、良かった部分を1つのアプリにまとめました。
いちばん大きな方針は、英単語専用にしないことです。カードの表と裏の呼び名は自由に変えられるので、簿記の勘定科目でも、法令の条文でも、一問一答でも、同じアプリで扱えます。
ほかのアプリとの比較
4つのアプリを実際に使って、機能ごとに突き合わせた表です。
| 機能 | Quizlet | dA Flashcard | WordHolic | AnkiDroid | MindStock |
|---|---|---|---|---|---|
| 忘却曲線(間隔反復) | × | × | ○ | ○ | ○ FSRS-6(21パラメータ) |
| 複数のデッキ | ○ | 1つのみ | ○ | ○ | ○ フォルダ分けも可 |
| スワイプ操作 | ○ | ○ | ○ | - | ○ 右=覚えた/左=もう一度 |
| 自動送り暗記 | ○ | ○ | ○ | - | ○ |
| 表→裏→表 の読み上げ | × | ○ | × | 設定次第 | ○ 6種類の順番 |
| 読み上げ速度の調整 | × | ○ 長押し | ○ | 設定次第 | ○ 0.3〜2.0倍 |
| 選択肢問題 | ○ 4択 | ○ 4択 | ○ | - | ○ 2〜6択を自由に |
| 誤答をファイルで指定 | × | × | × | - | ○ 4列目以降に最大5個 |
| ペア合わせ | ○ | - | - | - | ○ |
| 書いて覚える | ○ 入力 | - | ○ 筆記 | - | ○ 文字を並べる+手書き |
| リスニング | - | ○ | ○ | 設定次第 | ○ |
| 赤シート(見開き) | - | - | - | - | ○ 確認はペア合わせ |
| ゲーム | ○ | - | - | - | ○ 降ってくる言葉(60秒) |
| 付箋コメント | - | - | ○ | ○ | ○ 記憶のフック欄 |
| ★マイカード | ○ | - | ○ | ○ タグ | ○ |
| 全画面モード | - | - | ○ | - | ○ |
| パソコンで編集 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ Shift_JIS も自動判別 |
| Anki 形式の入出力 | × | × | × | ○ | ○ 標準の書式 |
| 広告 | あり | あり | あり | なし | なし |
| 費用 | 3,500円/年 | 3,000円/年 | 480円/半年 | 0円 | 0円 |
※ ほかのアプリの欄は、2026年8月時点で手元の端末で確認したものです。無料版・有料版の違いや、その後の更新で変わることがあります。価格は改定される場合があります。
7つの学習方法
デッキをタップすると出てきます。どれも同じデッキを見るので、気分や場面で行き来できます。
このほかに「カードを見る・編集」と「設定」が同じ場所から開きます。テストの設定は形式ごとに別々に覚えているので、選択式で決めた向きや秒数が、書いて覚えるほうに影響することはありません。
忘却曲線は FSRS-6
「段階を1つずつ上がる」古い方式ではなく、Anki が採用している FSRS-6(Free Spaced Repetition Scheduler)だけを積んでいます。2種類あるとどちらで動いているのか分からなくなるので、あえて1つにしました。
カード1枚ごとに、次の3つで記憶の状態を持ちます。
- 難易度 D(1〜10)… その項目の覚えにくさ
- 安定性 S(日)… 思い出せる確率が90%まで落ちるのにかかる日数
- 想起率 R(0〜1)… 前回からの日数で決まる「いま思い出せる確率」
実行時に学習はせず、21個の重みを使った数式だけで次の復習日を出します。この21個は設定画面に貼り付けて差し替えられるので、Anki で自分の学習履歴から最適化した値をそのまま持ち込めます。
作りで決めていること
機能の数より、こちらのほうがこのアプリらしさかもしれません。
選択式で外しても、その選択肢が消えるだけで、正解を選び直せば先に進めます。制限時間が縛るのは最初のひと押しまで。ゲームも落として減点はなく、落ちるほど選択肢が減って当てやすくなります。「易しくなった形でも答えたほうが得」という向きに揃えました。
4択の誤答をランダムに選ぶと、正解だけ字面が浮いて消去法で当たってしまいます。字面の近さと語の性質(漢字・かな・カナ・英字の別と、語尾から見当をつけた品詞)を半々で見て、紛らわしいものを選びます。辞書は使いません。カードが自分で誤答を持っていれば、そちらを優先します。
「できた/できなかった」を自分で押す方式だと、できた気になったまま通してしまいます。完全習得(赤シート)の確認はペア合わせで行います。ペアが揃うかどうかは自分では動かせないので、判定が甘くなりません。
打たせると予測変換が答えを出してしまいます。答えに使う文字だけを並べて選ばせる方式にして、余計な文字は混ぜません。消去法ではなく、順番の記憶で解いてほしいからです。当てたあとに手書きの白紙が出ますが、うまく書けたかの判定はしません。書くこと自体が目的なので、機械が採点する意味がないためです。
音源ファイルを持たず、正解・不正解の音もゲームの伴奏も、その場で波形を合成しています。マナーモードで黙らないようメディア音声で鳴らします。伴奏に旋律は入れません。耳が音のほうに行くと、言葉を読む邪魔になるからです。
デッキの作り方
デッキ一覧の + から、3つの方法を選べます。
- ここで作成する空のデッキを作って、アプリの中でカードを足していきます。
- ファイルから読み込みAnki・Quizlet・WordHolic の書き出しや、手持ちの CSV/TSV をそのまま読み込みます。
- Googleスプレッドシートで作成パソコンの表計算でまとめて作りたいとき用に、手順を図で用意してあります。
表と裏の呼び名は、作るときに用途から選べます(英単語/意味・用語/定義・問題/答え・条文/内容・勘定科目/説明・略語/正式名称)。あとから設定でいつでも変えられます。
取り込めるファイル
列の順番は決め打ちにしていません。1行目に見出しがあれば、そこからどの列が何なのかを読み取るので、アプリごとに違う書き出しをそのまま渡せます。
# Quizlet の既定(タブ区切り・見出しなし) apple りんご # 3列目はコメント(記憶のフック) apple,りんご,果物 # 4列目以降は選択肢問題の誤答(最大5個) affect,影響を与える,,効果,結果,反映 # 見出しがあれば順番が違っても読み取る 裏面,表面,コメント,誤答1,誤答2
- 区切りはタブ・カンマ・セミコロンを自動判別。「何個あるか」ではなく「何行に現れるか」で決めるので、定義側にカンマが入っていても崩れません
- 文字コードは UTF-8 / Shift_JIS(windows-31j)/ EUC-JP を自動判別。Excel で保存した CSV もそのまま通ります
- Anki の「Notes in Plain Text」は、先頭の
#separator:tabなどの行を読んで、デッキ名やタグの列を本文から除きます - 誤答の列は0個でも2〜5個でもよく、行ごとに数が違って構いません。足りないぶんは同じデッキの他のカードから自動で補います
書き出し
| メニュー | 形式 | 用途 |
|---|---|---|
| Anki形式で書き出す | タブ区切り .txt | Anki/AnkiDroid に読ませる(標準) |
| Quizlet形式で書き出す | タブ区切り .txt・2列 | Quizlet に貼る・人に渡す |
| CSVに書き出す(Excel用) | カンマ区切り .csv・見出しあり | Excel で編集する |
デッキの設定からは、ほかに他の人に共有・複製する・学習状況をリセットもできます。標準の書き出しを Anki 形式にしたのは、Anki とやりとりできることを優先したためです。
構成
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 言語 / UI | Kotlin + Jetpack Compose(Material 3) |
| 対応 Android | 8.0(API 26)以降 |
| データベース | SQLite(端末の中だけ) |
| 読み上げ | Android 標準の TextToSpeech |
| 外部通信 | なし(インターネット権限を持ちません) |
通信の権限そのものを持たないので、広告も、行動の記録も、クラウドへの送信もありません。覚えた記録は端末から出ません。裏返すと、機種変更のときは書き出したファイルを自分で移す必要があります。
これは個人用に作ったアプリです。Google Play には出していないので、使うには APK を自分の端末に入れる形になります。広告も課金もなく、これからも入れる予定はありません。
自分が資格の勉強で毎日使うために作ったので、「使っていて気になったところを直す」という形で少しずつ育てています。
